近況など
こんにちは、堂谷木工製作所です。
今朝までペン立ての塗装をしていまして、明日には出品できそうです。工房開業して間なしに新作として手掛けた製作品は、とにかく作りが細かくて厄介です。自分で設計しておきながらブツクサ言いながら製作していました。前回よりも作業時間は減少していますが、前回初めて製作したときに、利益をほとんど削って価格を抑えていたので、今回製作分から500円/1台程度値上げしないと割に合いません。開業当時はとにかく価格を抑えることばかり考えていたので、再製作する度に、製作台数を増やして1台当たりの時間を減らし、治具の改良や工法を見直して時短できてもまだ割に合わない…というアイテムがまだあります。ペン立てもその一つです。手の込んだ仕事をすることが良い仕事ではいのですが、手を掛ければそれだけ製作品としての重みは出ます。ペン立てをはじめに構想した時、ただの四角い箱ではなく、この世に存在しないような構造を取り入れようと意気込んでいました。その心意気は確かに必要ですが、最近は現実を認識しながらその辺をバランスを取れるようになってきました。
まだまだつくりたいものは山ほどあり、アイデアだけイラストにしたものが無数にその辺に転がっています。なんとも贅沢な仕事です、自分の頭の中のイメージを実際に形にすることが出来、それを気に入って頂いたお客様に買っていただけるという、こんな幸せな仕事をさせていただけるのは贅沢です。
今年は最後にご注文の特注折り畳み棚を完成させて仕事納めになりそうです。来年は年明け早々に細長い食器棚のご注文と細テーブルのご注文に着手し、実家の食器棚の製作を同時に進行、長らく品切れの小さな戸棚などを入れていこうと思います。レトロ系家具をようやく作れそうです。今年6月から新作らしい新作を全く出せませんでした。掛け持ちのアルバイトを少々長くやりすぎた感じがあり、その間にすべき新作の発表や再製作が後手後手にまわり、今月になってようやく再製作ラッシュの長いトンネルの出口が見えてきました。
製作に投入できる時間は、一月単位ですでに頭打ちです。一日の中でも結構限界に近く、これ以上は寝る間を削って仕事するしかない、みたいな状況になりかねません。寝るの大好きな自分にとっては厳しいです。身体が資本とよく言いますが、自営業者はホントにそうです。ケガや病気には最新の注意が必要です。一月に製作できる金額ベースで考えても、もう少しは伸ばせそうですが、自分の今の単価ではこれ以上は厳しそうです。ここで目からウロコの大幅な生産増はあり得ませんから、一つ一つの作業効率などを見直すなどの地道な方法しかなさそうです。例えば部材の荒木取り(製作するアイテムに必要な材料を、板材から取り出す作業)などは、仕入れる部材の厚みや、材料屋さんの木取りサービスを利用するなども検討できそうです。単純なくり抜き作業や同一の形状の成形などは、外注で加工してもらうこともできますが、まだ決心がつきません。外注ロット数などの兼ね合いや、もちろん外注加工費の問題もあります。ただ最近思うことは、一人ぼっちで切り盛りする以上、少々外注加工費が増えても自分の時間を捻出する事の方が大事な気がします。まぁ今は、金銭的理由で自分自身でなんとかするしかないことの方が多いですから、まだまだ発展途上です。
しかしやはり、つくるモノはじっくりと熟考して設計し、良材を投入してしっかりと手を掛けて作り上げることは当工房の当工房たる部分ですので、お客様を裏切らない『買って良かった』と思っていただけるモノを送り出し続けることが使命です。儲けを追求するのなら、今やっていることは全てキッパリ切り捨てて出直した方が良いでしょう。当方にとってはそんなことよりも、確実に自分の道を踏み固めていく事以外に興味はありません。今年はおかげさまで昨年よりも大幅に飛躍しました。昨年の今ごろは休業すら検討していましたから。ただ、まだ危険水域を脱しません。『来月の支払いがコレ…どうすんの?』という時もまだありますので、来年は安定してコンスタントに結果を積み重ねることのできるようにしたいです。
ペン立てを出品したらまた更新いたします。それでは、また。