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近況など(長め)

こんにちは、堂谷木工です。今日は珍しく太陽の出ている時間帯に更新しました。半日自分の仕事はお休みを取って、用事などを済ませました。

マツのローボード(特寸)製作中

画質が悪いですが、現在サイズオーダーで松のローボードを製作しています。オリジナル品よりも高さが80ミリ高い520ミリ、幅も50ミリ拡張の1250ミリです。久しぶりにトンデモナイ失敗をしてしまい、どうしようか考えあぐねた結果、大手術を施してリカバーしました。強度、見栄え上、全く遜色ありませんが、ざっくり言えば、溝を掘らないで良いところに掘ってしまったので、その部分を切除→移植といった塩梅です。自分のバカ加減にショックで気を失いそうでしたが、前夜のウインブルドンの決勝を見て、執念という言葉を今一度感じたので、すぐに立ち直って4時間半ほどでリカバーしました。

7月頭までは、5月の連休にお受けしたテーブルとベンチのサイズオーダーを2例製作し、納品しました。お一人はつい昨日お届けが完了し、喜んでいただけたようでした。お二方とも、ネットで当方の製作品画像のみでご購入を検討いただき、待っていただき、お求め頂いたことは、自分にとって大きな収穫でした。製作面では、オリジナルの仕様を見直して構造を強化し、脚先にフェルト付きアジャスターを仕込むなどのバージョンアップをしたため、手間が増える結果になりました。また、大きな家具を配送サービスでお届けするという点でも、未知の領域でしたが、テーブルの脚を着脱式にしている点は、納品時、搬入時に大きなメリットになりました。手間はかかりますが、完成後当方で保管する面においても、コンパクトにできるという面をもっと充実して確実な技術にして、セールスポイントに育てようと思います。

6月の下旬には、上のような収納を特注でお受けして製作しました。画質が悪くてすみません、しかも見切れています。ヒノキ材で作った、とあるモノを収納するスタンドとバック棚になります。松煙のオイル仕上げ。実用一点張りの雰囲気で、国鉄の黒貨車のような雰囲気です。サイズが結構大きく、棚の高さは1200ミリほど、奥行は900程度あります。特注のお仕事はお断りさせていただいているのが現状ですが、以前からお付き合いのある方のお仕事ですのでお受けさせていただきました。

2019年も下半期に入りました。上半期の実績は昨年よりも明らかに好調に推移していますが、ここへ来ての問題点として、在庫切れの期間が長すぎて、ご迷惑をお掛けしている点があります。今までの製作ロットは、一点につき2~3台程度の製作数を、樹種や大きさを変えて2~3種類というものが多く、バリエーションが豊富にあるのは良いのですが、一点の在庫数が少なく、人気の集中するヤマザクラのアイテムなどは、あっという間に完売してしまうというものもあります。その後長いものでは半年以上売り切れ状態となり、このままでは運営上よくありません。

8月は再生産月間として、新作を投入せず(7月末の新作が伸びて8月頭になるかもしれませんが)、現在ご相談いただいているハンガーラックや杉のA4引き出しの再製作に注力します。秋以降も再製作に重きを置いて製作します。5月以降は、一部の家具類に関しては、受注生産を受ける形態にしました。しかしながら、在庫が無いということは致命的なんだと、もっと真剣に考えるべきであり、テーブルなどの大型のものは受注生産を基本にしますが、それ以外のものは基本在庫をしっかり持つという点に注力します。予約注文頂いて、納品に2か月待ちとかでは、お客様の情熱も冷めますし、注文が重なるという点は、以前の教訓も含めて自分の首を締め付ける原因にもなりますので、一品ごとの製作数を5台以上にするなどして、ご要望に応えられるようにしなければと感じています。平均して製作後6か月ほどで在庫が無くなる状況ですので、製作後1年ほどは在庫で対応できるようにしていきたいです。そのためにはまとまった製作時間、まとまった材料などが必要で、なかなか苦しいですが…。

やはり時間が足りません。自分が木工をする限り、時間はこの先も慢性的に枯渇する資源であることは否めません。限られた時間をどう配分するか、とても大事になりますが、当方の活動において最も時間のかかることはやはり製作時間です。上の在庫数の話でも少し触れましたが、一点当たりの製作数を増やして作業の効率化を図る事によって時間を捻出する、また、納期に縛られない製作時間を確保するように努めること、これは個人で活動するうえで重要だと思っていて、特に自転車操業の当方の事情故、再製作をどこに持ってくるかによって、月の売り上げのバランスをなるべく均等に保ちたいという面などがあります。

赤裸々に書きますと、材料を購入するのも、最近は10万単位になりつつあります。資金力が乏しく、未だに自転車操業、売上を即材料費に回すということも珍しくないです。お金を借りて購入することもあります。ひとつの樹種で0.5立米ほど仕入れることが効率的で、目安となっています。材料費を振り込んだ日からそれが売上金として入金されるまで、最短でも一月はかかります。製作品の在庫がすべて無くなり、投入した材料が全て製品になって、その製品が売切れるまでの期間は、だいたい半年から長くて1年です。開業して3年目の現在、投入した材料費がこの先回収できない、永遠に在庫品になりそうなものも数点あります。しかしながら、おかげさまで基本的には売切れるものが多いのですが、何においても最初にまとまった資金が必要になります。10万単位は、当方にとっては大きな額です。未だ簡単に用意できる額ではないです。資金も重要ですが、時間という資源はもっと重要で、時間があれば資金が作れる状況になってきましたので、とにかく自分の業務や生活時間をもっとシビアにしていく必要があります。

途方に暮れていた昨年の秋冬とは違い、現在はなんとか自分の木工の仕事で明日の木工が続けられる状況になってきました。お買い上げ、お問い合わせやご注文を下さった方々、また、ネットで取り上げていただいた方々のおかげで、なんとか仕事をさせてもらっている状況です。工夫次第で、今の環境でももう少し業務を大きくできると踏んでいます。製作品の充実もそうですが、昨年には感じなかった『木工製作販売業』という一つの職業という大きな枠の中で、業務内容の改善や改良を考えることが増えてきました。つい5年前までは、木工の技術力を向上させること、経験値を増やす事に、ほとんどのエネルギーを注ぎ込んでいましたが、今では、貧祖極まりない自身の木工業ですが、自分の製作品を通したサービス全体の質ををよりよく提供するという視点で新たに活動をし始めています。

購入してくださった方々のご感想などを見ると、ご購入の意思決定から納品後、実物を使用されてのご感想という一連の流れの中で、ただ単にモノを買う、売るという名の行為だけではないことがよくわかります。サイズオーダーしてくださった方のご感想でも、ご購入までの不安や疑問もあり、丁寧な説明や柔軟で臨機応変の対応というものは求められますし、ましてやオンラインでのやりとりとなると、かなり神経を使いますが、当方のサービスに満足したという方々のお話から、自分にも可能性があることが確実なものとして見えてきましたので、今はとてもやりがいと責任感を感じています。

問題はいつでもそばにありますが、それを解決するのは自分の行動ただ一つですので、それを肝に銘じて、2019年下半期も攻めたいと思ます。

ご購入頂いた方々、お問い合わせくださった方々、ご検討いただいた方々、誠にありがとうございました。

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