現状や今後の予定など

こんばんは、堂谷木工製作所です。大変長らく更新ができていませんでした。

塗装を待つ食器棚上下セット 脚付き。 このあと朝の7時まで塗装し、その日の夕方出荷する運命に。

先月は大型の食器棚の製作があり、つい先日納品が終わってほっとしています。ただ、7月中に完成予定だったA5サイズの引き出し24台のうち、ご予約が入っていたヤマザクラの12台だけ先行して完成させ、残る12台のナラ、トチ(新発売)を、納期優先の食器棚を片付けてから、昨日からようやく全体仕上げをして、今日塗装を終えました。トチはオイル塗装ではなく、白木保護塗料を塗布して黄変を防ぐとともに、トチ特有のラメ感を生かすようにしました。近日販売先様でアップします。

今月は予定ではテーブル2台とベンチの製作ですが、今はお客様からの最終GOの確認待ちです。大型の仕事で、キャンセルにならなければ有難いのですが…。コロカ禍にあっても、当方はもともとネット販売のおかげで、むしろ多忙になりました。とてもありがたいことなのですが、製作のキャパがとても貧弱であるため、かなりお待ちいただくか、お断りさせていただく事態にもなっています。それでも当工房の運営は決して楽にならず、改めて自分の経営能力の無さを痛感します。想像以上に自分は無力だったということです。

おかげさまで食器棚は多くのご予約をいただいており、年内は予約で埋まっています。ただ、新作の発表や、かつての製作品のリニューアルに全く着手できず、お客様のご要望に応えることができていません。自分の事業規模を大きくするか、仕事を断ってでも自分のペースを維持するか、真剣に考える時期にあります。

9月より、スツールの一部を外注加工してもらうことにしています。最終的には組み立てと仕上げ、塗装は当方で行いますが、それ以前の下準備や加工成型を外注で行ってもらうことで、自分の作業時間を捻出できるようにしました。外注加工費が新たにコストとして乗っかってきますので、かなり苦しい状況ですが、自分の仕事が他の人の仕事になり、よい循環ができれば仕事の幅も広がりますので、良い面も多くあると思います。思い切って木工を学んでいた時の仲間に相談して良かったです。

その人は今ではバッリバリに仕事をしていて、先月見学させてもらって久々にゆっくり話をしましたが、彼の覚悟を目の当たりにし、自分の小ささを知り、訪問前は正直自分の木工の仕事が、自分の手綱さばきを無視して勝手に走り始めているようで少し嫌になっていました。帰宅後は刺激を受け、食器棚も当初の納期を早めてほしいとの要求にゲンナリしていましたが、一気にトップギアになって無事に納期短縮で納品できましたし、今はやる気が持続しています。

今日も明日も手を動かし、木の板から木製品を生み出すことを続ける。それが自分の仕事であり、自分の生活です。以前ならそこに理由やら意味やら、何かしら後付けしていたと思いますが、今はただ求められることに精一杯応えようとすること、それが全てであると感じます。抽象的なことでも難しいことでもなく、ただしんどい事で面倒なことですが、逃げずに自分なりに前に進むことだけ考えています。欲を言えばもう少し貪欲で楽しみながら仕事をしないといけないと感じています。

それではまた。

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工房の様子

こんばんは、堂谷木工製作所です。当方あまり工房の画像は載せません。特にinstagramなどでは一切載せていません。別に隠す意図はありませんが、大いに見せたいとも思いません。

今日現在の工房の風景をお届けいたします。現在若干カオス気味となっております。A5サイズの引き出しの製作を進めているのですが、料理で言うところの「材料の下ごしらえ」とも言える、荒材から素材を切り出し、薄くスライスしたり板同士を貼り合わせて大きな板にしたりする作業の真っただ中で、完成後の印象はこの「下ごしらえ」=木工作業で言うと『木取り』がかなり重要になります。

小さな引き出しですが、部品数は多く、例えば当方のスツールの「糸巻きスツール」で主要部品数6点、組立に必要なクサビやダボが12個の合計18点です。ダボは規格サイズの市販品なので加工せずにそのまま使用しますので、部品が揃えば完成は目前、作業もスピード感があります。

ちなみにA5サイズの引き出し4段は、主要部品25点、ツマミや桟など20点を合わせると実に45点にもなります。その45点のほとんどにおいて、幅、長さ、厚みを整え、孔を開けたり溝を掘ったり接着したり、よく触る箇所は鉋で仕上げ、サンドペーパーでなめらかにしたり、最終的に引き出し一つ一つを本体に収まるように、スムーズに出し入れできるように調整し、塗装してツマミも旋盤で木を丸く加工して取り付け、完成します。

毎日コツコツ積み上げることでしか完成しません。朝工房に行ったら、誰かが夜な夜な完成させてくれていればいいのに、と思います。毎朝見るのは、昨晩終えた作業の状態がそのまま朝の光を浴びている光景だけです。ため息が出る事必至です。

当方の技術や努力は、お客さんのためのものです。自身が人に良く魅せようとか、誰かと競うものでも誇示するものでもなく、ただただお客さんに「いいなぁ」と思ってもらえる木製品にするためだけの、自分だけのスキルです。貧祖で質素、無駄があっても1年前の自分より向上しているはずです。それをどんどん積み重ねて更新していくだけです。一人木と向き合って過ごす地味で孤独な仕事ですが、逃げずに立ち向かう人は必ず1年前の自分を超えていけます。もっと良くしなければなりません。

それでは、また。

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業務改善

こんばんは、堂谷木工製作所です。

サイトの更新が停滞しております。全体的に業務が停滞しており、お客様にはお待たせする時間が長くなり、申し訳ございません。

業務を効率的に行うための改善をただいま進めています。改善を行う上での時間的、経済的余裕が無く、現状でできうる可能な限りで改善を進めていきます。

来月7月で、開業して4年目に入ります。よくここまで生き抜いてきた感がありますが、たとえば製作の現場では、工房内のレイアウトを少し変え、開業当初から今に至るまでの間に、想定していた機械の使用頻度の見込み違いなどによる動線の悪化や作業スペースの無駄があるため、使用頻度の低い機械を撤去したり、設置場所や設定を変えることで今以上に使用頻度を増やせば、作業効率向上になると思われる機械や設備を更新していきます。

販売においては、インターネットでの販売の実績とお客様からのご評価をいただいてるので、これをさらに加速させ、対応のスピードを上げようとしています。内輪な話ですが、今までは自宅(兼事務スペース)で行っていた事務作業、ネットショップの運営管理やお客様や業者さんとのやりとりを、仕事用のノートパソコンで一括して作業できるようにします。(スマホでも行っていますが、ネットショップへの商品の掲載や情報の編集、図面作成などはパソコン上でないと効率が悪いです。)これにより、自宅から離れた工房でもネットショップの在庫の更新や納品書の発行などを行えるようになります。このサイトの管理にしても、ネットショップでの商品情報の更新が先行してしまい、本来の当方の情報発信の要であるこのサイトの意味が無くなってしまっています。サイト運営にもコストがかかっていますので、定期的にきちんと情報を発信できる体制にまでもっていきたいです。

商品の発送においては、つい最近、お客様にお送りしたお品物が破損して届くという事態が発生し、お客様に大変不快な思いをさせてしまいました。一度は製作品の構造の欠陥という結論に達したのですが、後日お客さまにお送りした梱包資材を再度確認したところ、当方の梱包方法に問題があったということが判りました。今後は定番アイテムは、専用のパッキンを箱屋さんに製作してもらい、発送作業の効率化と堅牢な荷造りができるようにします。120サイズ以上の商品の梱包は、荷物自体が大型化するために、運送段階で積み重ねられて上から荷重をかけられることが多く、今までの梱包方法では梱包内の商品にダイレクトに荷重がかかっていたことが判りました。今後は梱包方法の厳重化や運送会社への取り扱い方法の指示を明確に行うようにします。

製作においては、再販を重ねてるアイテムに関しては、回を重ねるごとに少しずつ業務の効率化を進めることはできていますが、製作できるアイテム数、製作台数は頭打ちです。この問題が一番大きく、大型家具のご注文のお客様への納期がどんどん遅くなる傾向にあります。フルオーダーは現在承っていないものの、オーダーとして唯一お受けしているサイズオーダーであっても、お客様との密な打ち合わせは必須であり、それぞれのお客様のケースバイケースに柔軟に対応するために時間を必要とします。当方の定番アイテムの再販を行いつつ、サイズオーダーを行っていくには、定番アイテムの製作の一部を外注加工してもらうことを検討しています。最終的な仕上げや塗装、納品に至るまでは、やはり当方が行いたいと考えています。

時間はどんなに頑張っても24時間であることは変えられません。当方が環境を改善して作業効率を良くしていくことが常に求められます。

都心部に近い東大阪市という、木工家具製造の非産地での当方の活動は、原材料の仕入れや外注加工などにおいてやはり適地ではなく、工房の狭さも、生産能力をこれ以上上げられない元凶でもあります。開業して4年目を迎えるにあたり、この先の10年目以降の活動を考えると、あと数年で活動地を移転させる必要が迫ってきています。そのころには当方の活動状況がどのようであるかは想像もできませんが、お客様のご要望に対して真剣に取り組む姿勢を基本としながら、活動環境を見直すことを恐れ逃げずに検証し改善していこうと決意しました。今までは突貫作業で半分寝ながらの深夜早朝の製作など行っていましたが、限られた時間内で決まった時間で確実に業務をこなせるように、プロとしての仕事と言えるレベルにならなくてはいけないと感じています。泥縄な仕事模様ではただひたすら摩耗するだけです。そんな仕事では製作品事態に良い影響ではありませんので、ここから新たな3年間、しっかり実績を積み上げていきたいと思います。

それではまた。失礼します。

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営業のお知らせ

昨今、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が世界を苦しめています。当方の業務は4/22現在通常通り営業しております。

今後感染拡大に伴い、流通の停滞や材料の仕入れに影響が及ぶ可能性があります。

大型家具などをご予約のお客様には、当方からご予約の再度確認を行っております。今後の状況により、お客様各位の生活環境の変化などによって、導入予定の変更もあることと思います。

また、日常の生活において感染しないための対策をし、万全の態勢で業務しておりますが、今後当方の感染に至る可能性も考えられます。その際はご予約やご注文のお客様に速やかにご連絡させていただき、第三者への感染の可能性が無くなるまで業務を中止いたします。回復後、ご予約ご注文の継続の有無を確認をさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

堂谷木工製作所

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ペン立てを再販しました

おはようございます、堂谷木工製作所です。

本来は3月に再販する予定だったのが延び延びに伸び、昨日再販を開始しました。今回は全ての樹種を再販しました。販売先様サイトにてご覧頂けましたら幸いです。

また、ペン立ての製作品紹介ページを更新しました。

それではまた。

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先の長い話と実際に長い話

おはよございます、堂谷木工です。

当方、木工品を製作し販売するということを、個人で行っています。自分の仕事、収入の糧ですが、ずーっと温めている夢の為でもあります。

普段製作に没頭している間は、物事を考える余裕が全くなく、ブログ更新する時間も惜しんで入れ込んでいます。時代はワークライフバランスなんて言っていますが、当方はハードワークの片隅に自分のライフが端っこにちょこんと乗っかっている感じです。嵐の間の雲の切れ目のように、製作が一段落した時、今後の事や仕事のアイデアなどを考える余裕が出来ます。その余裕は別の言葉で言うと不安とも呼べます。不安を払拭するために、日々製作に没頭していると言い換えることが出来るかもしれません。正当には自分の仕事は、日々黙々と手を動かすことに他ならないのです。

堂谷木工製作所を名乗って仕事をし始めた頃は、生業として木製品を製作販売することが100%だったと思います。今でも実状は変わらないのですが、この仕事をし始めてからここ最近になって、素材である木の事、地球環境の事などをより意識するようになりました。『環境の事?辛気臭い事言うなよ』という声も聞こえてきそうですが、木工という仕事は、環境の問題や地域経済などの問題とかなり親和性があるといいますか、個人的にはずーっと見ないふりをしてきた問題ではあります。ただ、実際に素材の話となると、当方は国産材料の使用にこだわっていて、実際に入手する材料を見ると、国内の広葉樹の資源量(や、それを扱う人々や仕事)も縮小していることは間違いないと思います。

日本は食料自給率が少ないだけでなく、エネルギー資源も少ない国です。日本は多くの資源や食料を輸入に頼っています。工業製品ですら、生産コストの安い海外で製造したものを輸入しています。一度気候変動や新型肺炎などの地球規模での問題が起こると、日々の自分の暮らしが突然予想すらしなかった場面で機能しなくなるという側面があります。それを危機と捉えるか、万に一度のレアケース(不運)と捉えるか。当方は危機と捉えています。

話を木工という身近なレベルまで戻しますと、素材である木材を国産材料でなんとかしたいと思う率直な理由として、森林豊かなこの国にあって、遠く離れた海外から化石燃料を使って日本まで運んできた材料で木製品を作ることがどう考えても納得できない(受け入れがたい)ことと、国内産材の需要の増加から、林業や日本の森林資源のバランスの回復にならないかと期待(今は期待するだけの受け身)しているという面があります。今当方にできることは、国内産の材料を使って、少しでも魅力のある木製品を喜んで手に取ってもらうことですが、将来的には自分自身が受け身ではなく、率先してそのような問題に挑戦したいという壮大な目標があります。

先にも書きましたように、木工という仕事は、循環社会(環境と経済の両方において)にダイレクトに寄与できる仕事です。木は鉱物資源と違い、その素材がもとは生命であり、木自身の成長において人々の暮らしや地球環境においても重要であり身近な素材であることは、誰もが感じていると思います。

現在の日本では、杉やヒノキなどの針葉樹の資源量は豊富にありますが、家具用材として有用な広葉樹の資源量は少ないです。自生する広葉樹の国内資源量は減少の一途ですが、人の手によって資源として育てていくという取り組みをできないかと、いつも夢見ています。今はまだ『夢』でしかありません。木製品の製造と販売という業務ですら危ういですから、素材の育成という話までたどり着ける気がしませんが、夢をまず文字に起こし、皆様の目に触れさせていただくということで、マボロシで終わらせないようにしたいと思っています。

日本国内の耕作放棄地は年々増えるばかりで、鳥獣による農作物への被害も増えています。自分の知った情報では、耕作放棄地が野生動物にとっての隠れ蓑のような役割になっている話を聞きました。野生動物の話まで広げてしまうと、もう自分ではどうしようもないですが、頭の隅には結構問題意識として根付いています。その耕作放棄地に、広葉樹を植えて資源化できないものかと考えていましたら、もうすでに実証している自治体があるようで、ソースは示せませんが、熊本県で耕作放棄地にセンダンを植樹して家具用材として活用する取り組みを知りました。

実に夢のある話で、環境問題や地域経済の縮小、人口減少問題、耕作放棄地の活用など、諸問題にとってもかなり前向きな結果が得られそうな実例だと思いました。農地法によって放棄地の活用や、農地所有権や農地借り入れの問題など、クリアにしていく問題はありそうですし、何よりも地権者にとって有益なものとならないと、継続してこの先長く循環すべきものにはなり得ないと、素人の自分にもわかります。ただ木工事業者のハシクレとして言えることは、広葉樹の需要は間違いなくあるということと、針葉樹よりも単価が高く販売できるということは言えます。急傾斜の多い日本の山林に比べて、耕作放棄地はもともと農地でしたから、道路網もしっかりしているうえ、傾斜も緩やかです。

耕作放棄地の活用の話を当方がただここで描くだけでは、ただの話のタネでしかないのですが、実際問題、当工房はもう少し広い場所への移転は避けられない問題としてあり、単純に同じ賃料でも地方では広大な物件も借りることが出来ます。将来的には人口減少にある地方に拠点を置き、地元で素材の育成から活用までを、当木工所の仕事として手掛けることが夢であり、道のりの長い目標です。

人に喜んでもらうことは、自分の現在の力量においては、直接製作品を製作販売することしか無いですが、もう一歩も十歩も外側の大きな円で捉えて、人にとって環境にとって良いものを提供することは不可能ではないと考えていますし、しぶとく目標として掲げて活動していこうと思っています。

長話になりましたが、それではまた。

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近況など
食器棚の塗装風景

明けましておめでとうございます。もう遅いですか?

こんばんは、堂谷木工です。昨夜から今朝にかけて、突貫の塗装作業を終え、食器棚の塗装が終わりました。ヒドイ作業環境ですが、ここが塗装場になったり撮影スペースになったり、発送作業場になったり商品保管庫になったり、材料もここに一部います。狭すぎる。

画像は2月の新作『食器棚2タイプ』の2台です。2タイプを縦に重ねて大きな食器棚にもできます。試作と言えば試作なのですが、実家で丁度食器棚が入用ということもあり、完成後納品します。この後の仕事がかなり迫っていますので、パパっと完成させたいところですが、案の定完成が1月から2月に伸びてしまいました。これでも恐ろしいほど追い込みして、ここ数日は製作時間が15時間とか12時間とか、異様な状況でした。

自分は何のために木工をしているのか?作りながら使う人の事をいつも考えていますが、最終的には自分との闘いのような感じになっています。仕様を簡略化して製作時間を短くする、仕上げのランクをもう少し落とす。そうすれば製作時間が短くなりますから、価格も下がりますし、当方も楽ですが…。

当方が今更『食器棚』を製作したとしても、もう世の中には食器棚なんて必要以上に存在しています。当方しか考え出せないようなカタチの木製品であれば、当方が発表するのも自然ですが、あえてこの世にありふれたカテゴリの商品を製作することに、いつも挑戦したくなります。だいたい失敗しますけど。ただ、当方ならではの製作品になることは間違いありません。やるからには限られた中で全力で送り出す、その繰り返しであり、その中に反省と更新を交えながら前に進むという…。

年が明けてから、箱ものを立て続けに製作しています。クリ材を使った着色(一部針葉樹使ってますけど)の製作品を模索している最中で、今年はクリ材で生かした製作品をいろいろ考えています。ただ、新作に充てる時間が本当に厳しく、今回も実家で食器棚が必要という条件がたまたま発生したので、スケジュール的に新作を製作することはとてもつらいのですが、そこに挑まないと沈んでしまいますので、無理してでも挑んでいく次第です。

同時に、ご注文の製作や再販の製作をきっちり行い、過去の製作品の仕様の変更などもしっかり行っていきたいです。ハンガーラックなども今春から新しい仕様に変えていくつもりです。

食器棚は完成しましたらまた正式にアップします。非常に更新頻度が低くなっていますが、本年も何卒よろしくお願いいたします。

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1月の新作

お客様からのご注文で、上のような細キャビネットを製作した。丁度当方で食器棚やカップボードを考案していた時期だったので、お客様のご注文の製作と製作品発表を兼ねて製作した。

素材は国産クリ材、顔料を調合してオイルに混ぜて塗布し、上から表面保護とツヤ感を増すために、市販のブラウン食ワックスを塗布して仕上げた。

サイズは幅や高さはしっくり来るが、奥行をもう少し欲しいところだったが、お客様のご要望でこのサイズとなった。あと50ミリほどあれば、もう少し安定性が出ると思う。

建具(特にガラス建具)は、ガラスをどのように保持するか検討し、ケンドンで寄せて隙間に細いパッキンを入れ、押さえ縁で裏から固定している。平丁番の建具で観音開き。精度がモノをいう…。建具の取り付け調整が一番嫌いな仕事である。建具本体の組み立て時に微細なネジレが出たようで、左右の扉を閉めたときに若干バチっていたのはショックだった。マグネットキャッチと扉の戸当たりを設置し、ガラス板を入れたら許せる範囲になったので良しとした。当方、スライド丁番は意地でも使わない(スライドレールも使わない)ことを通しているので、建具の取り付けは毎回ため息ばっかり。

外観がレトロすぎるというか、オシャレ感が全くないのはどうしようもない。しかし、当方はこの佇まいが凄く好きなのだが、お客さまにはちょっと期待外れだったかなって思う。以前小棚を購入してくださったその方は、ウレタン塗装の小棚を購入頂いたのだが、そのイメージ(特に質感)のイメージが強かったと思うので、素材感丸出しのオイル仕上げはパッと見た感じの光の反射が無いので、印象が薄く、しかも当方の昭和感が滲み出てしまったところは、反省というかどうしようもないが、塗装方法などはもう少し光沢を持たせた方が良かったかと思う。今後はラッカー塗装も検討している。

また正式に製作品のページに掲載する予定です。販売先サイト様には商品として掲載を開始いたしました。取り急ぎ完成報告でした。

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2019年総括

こんにちは、堂谷木工製作所です。今日で2019年も終わりです。2010年代も終わり、来年からは2020年代です。と言っても、毎日特に気持ちに変化はありません、ただひたすら仕事します。

今日で仕事納めしました。大掃除もせず、フツーにテーブルの蟻桟送りと蟻フタなどをしました。画像はブナ材テーブル天板です。材料屋さんがいつも気を利かせてくれて、1枚だけ幅広の板を送ってくれましたので、それを基準に板ハギして製作しました。縮み杢が出ていて、美しいです。ブナ材でスツールなど作ろうかなとか思っています。灰白色が自分好みです。オイル塗装すると白系の樹種は魅力が半減すると思っていて、(黄ばみっぽくみえるので。)今回は白木保護塗料を採用しようかと考えていて、施主さんと相談中です。

2019年は内容を充実できた年でした。今月は過去最高の売上となり、着実に足跡を残しつつあります。計画性を持って仕事をすることも出来てきました。ご注文と再販の製作をバランスを取りつつ、新作を入れ込んでいくことが、なんとなくできつつあります。ただ、毎月新作を出せるような時間的余裕はなくなってしまいました。開業後半年は、『何作ろうかな~』なんてお気楽な部分もありましたが、今は毎日確実に仕事をこなしていかないと回りません。

製作時間をこれ以上はあまり増やせないところまで来ていますが、製作するアイテムを計画的に実行したり、木取りをまとめて行うなど、効率的に回せばまだ生産は伸ばせると思います。それも頭打ちになったのなら、またその時に考えます。

最後になりましたが、本年は誠にお世話になりました。お求め頂きました方、ご依頼くださいました方、ご検討下さいました方、まさに支えられて今年を終えることが出来ました。来年は確実に、もっとパワーアップできると確信しています。より堂谷木工らしい木製品をお届けできるように、さらに努力いたします。

来年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。               

堂谷木工製作所

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再販しました
A5引き出し 使用シーン

おはようございます、堂谷木工製作所です。

今年ももうすぐ終わりです、12月に机上小物系2点を再製作しました。いずれもご予約頂いておりましたが、長らく品切れ状態でした。iichiさま、Creemaさま、minneさまの当方のショップ内で販売しています。

商品の画像を工房の2階で撮影するのですが、開業当初は白背景紙と照明で撮影していました。小物の撮影はそれでも良かったのですが、家具ぐらいの大きさになると、引きで撮影するには狭すぎて上手く撮影できないなどの問題や、照明の当て方や器具自体を厳選する必要があり、ほぼ断念しました。最近は自然光+補助で照明を当てて撮影しています。採光が西の窓で、撮影時間はだいたい午後になります。春~秋は太陽光の角度が良いので、時間帯によって上手く撮影できるのですが、冬は日がかなり南に傾斜していて、なんだか上手く撮影できません。今回の抽斗の撮影も、2回ほどやり直ししましたが、どうも納得できるものではないので、またチャンスを伺って再トライする必要があります。撮影と販売サイトの画像の差替えなどの作業で結構時間がかかりますし、塗装が乾いたらだいたいその翌日は撮影日なんですが、あいにくの曇天や雨天などになると、もうお手上げです。モニター上の商品の印象がかなり重要ですので、撮影には神経を使いますが、満足できる結果はなかなか得られません。

ヒドイ画像でも、出さないよりはマシですので、一日でも早くネットショップに在庫を上げたい時などは、そのまま出しますが、販売先様の運営の方もご覧頂く際に、特集などでピックアップしてくださるのはやはり画像の見栄えなので、撮影環境や撮影の工夫、基材の充実などはまだまだ課題が満載です。ヒドイ画像でもご購入してくださる寛容なお客様に救われております(汗)。それでもお届けするモノ自体は『画像よりもステキ』というご意見を頂戴しますので、まだ良しとするところでしょうか。

長期間の品切れを一気に挽回すべく、1回の製作台数を多めに製作することをこの半年ほどで挑戦しました。と言っても個人で製作できる台数なんて知れていますが、少しずつ在庫を増やしている効果が出始めてきました。昔、書店員をしていたころに『売れ筋は旬のものだから品切れにしない、品切れになる前に即補充をかける』という教えは、教訓としてはわかっていても実際製作が追っつかないなどの製作と販売の両者を担当するとなると、なかなかむずかしいなぁと思います。半期や3か月毎に生産計画をもっと綿密に立ててそれをきちんと期日内に実行できる能力も必要です。当たり前ですが、自分の処理速度を自分で把握していないと駄目です。再製作を3回ほど行うと、一応の作業時間の基準が出来ますが、新作第一号などははっきり言って試作ですので、製作時間がすごくかかったり、逆に1台だけの製作でササっと作ってしまい、いざ量産となると1台ではさして苦労なくできた加工が、しっかり治具を用意して製作しないと場当たり的な加工になって時間がめちゃくちゃかかるなどの場合もあります。

新作でも3~5回再製作して、はじめて適正な製作時間と価格が決まったりしますので、単発のオーダー品などは利益がほとんど残りません。お客様にお見積もりの段階で結構絞ったお値段でお見積もりを出すので、あとあと泣きを見る事が多いです。まだまだ勉強が必要です。まぁ高すぎる見積もりを出して、実際の価格よりも過剰に請求するようなことは一切ございません。(ここでは証明もできませんが、ホントに無いです。)商売に関してはド素人です。そりゃあ運営も苦しいはずです。

そして、販売にあまり前向きでないアイテムなのですが、ペン立ての姉妹品の小物入れも販売先様にアップしました。ペン立ての二番煎じみたいであまりまえむきではないのですが、ペン立ての上部を切って丈を短くして小物入れにした、という構想の小物入れです。ただ、製作に関してはペン立てと全く同じ工程をしますので、本当は価格差がほとんど出ないところなんですが、お客様視点で考えると、『なんでこんな小さい小物入れがペン立てとほぼ価格が変わらないのは…』と思われると思い、価格面でも利益を圧縮して販売としました。ただ、モノとしては単純に可愛らしいと思います。机上にあると何かと輪ゴムやクリップ類などをとりあえず投げ込めます。(実際試作品は当方のデスク上でそのような使用をされています。)実用重視の製作品が多い当方のラインナップの中にあって、結構ユルい設定のアイテムです。

ということで、まだ年末まで製作の山をあと3つほど越えなければなりません。一つの製作品が完成すると、結構気が抜けます。再起動するまでがなかなか大変です。また新たに完成しましたら記事更新します。

それでは、また。

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