ご注文の品物が完成しました

こんばんは、堂谷木工製作所です。

8月中頃から手掛けていた注文をお受けした仕事が本日終わり、26日に納品します。

 

滑り台です。滑り面と本体は分解できます。ラジアータパイン集成材。

子供用テーブル。750×750ミリ、高さ270です。折り畳み脚(金物使用)。ラジアータパインを使っています。

応接室の細長テーブルとベンチ、丸スツールです。3点ともアカマツ材を使用。

テーブル寸法は、横幅1185ミリ、奥行き445、高さ720。

ベンチは横幅900ミリ、奥行300ミリ、高さ400。

丸スツールは座面φ260、高さ400。

ボックス収納棚(棚板可動式)とコートハンガー、角スツールです。

角スツールは材料が余ったので試作品です。

ボックス棚は横幅450ミリ、奥行290、高さ870。ラジアータ松集成材と桧使用。

コートハンガーは高さ1570、台座直径(最大幅)φ420。枝フックは8本です。材料は姫小松です。フレグランスのような香りの松で、松と言っても木目が大人しく、切削研磨性に優れ、狂いにくい素材だそうです。松系の中では別格というか、桧に近い硬さや触覚のよう。(枝フックのみアカマツを使用しました。アカマツの方が粘り気があって折れにくいと感じたため。)コートハンガーは台座と幹が組み立て分解ができます。

角スツールは座面250×250ミリ、高さ400。アカマツ。

 

8点の制作、シンプルな構造ながらも、松系素材を本格的に使用してその感触を確認できました。構造的には、滑り台やハンガーラックなどは、構造上の問題や制作方法を検討し、乗り越えました。

テーブルやスツール、ベンチ、コートハンガーは、松という素材が使えるかどうか(ヤニを心配していましたが、ベイマツのような露骨なヤニが滴るような状況は無いですが、経年観察はしていかないといけません)、実験と検証を行えたのでよかったです。強度もあり、何より粘りがあるので脚モノにも良く、木目の良さは思っていたとおりでしたので満足です。ただ、アカマツに結構干割れが結構入っていました。板材のねじれはやはり強く、ただ、平面出ししてハギ合わせなどすれば、それ以上ねじれるような感じではなさそうです。広葉樹ほどの高級感や緻密さは出せないかもしれませんが、家具としてやんわりとした温かみと木目の男らしさが、家具材として十分使えると感じました。また、松と言ってもヤニ分の多いもの、少ないもの、オレンジ色の強いもの、赤色の強いものなどの個体差もあって面白く、今回初めて姫小松を使ってみましたが、木目は大人しく、松としては上品な表情が出せる(箱モノなどにも使えそうです。アカマツよりも断然価格は高いと思いますが。)

来月からは松を本格的に使った、オリジナル家具の製作品に着手したいと思います。組立、分解可能としながらも、チャチっぽくなく構造面でしっかりしたものを作るために、積極的に挑戦していこうと思います。

今日で全て完成したので、少し気が楽になりました。

それでは、また。

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災害が起きるたびに思うこと

平成30年北海道胆振東部地震に被災されました方々に、お見舞い申し上げます。

関西地方も先日の台風21号で大きな被害が出たが、電力供給が止まると立ちどころに生活に支障をきたす社会に、脆さを感じざるを得ない。今回の北海道胆振東部地震においても、道内の大規模な停電になるなど、災害時の混乱として挙げられる重大な問題であると感じる。

木工屋の自分自身に置き換えて考えてみても、電力供給なしに木工はほぼ不可能である。木工工作機械を使わない方法であればできないことも無いが、「不可能に近い」状態である。

確実に迫りつつあるであろう南海トラフ地震のことを考えると、自身の身の安全を考えても恐ろしいが、機械類がダメージを受けた時、業務を再開することは厳しい状況になる。ここ1~2年で何らかの大災害が東大阪で発生した場合、当工房はまずもって数年間は業務再開は不可能だと思う。ゼロから再出発するにあたり、マイナスにすらなってしまう状況から、まずはゼロ地点までこぎ着けるだけでも時間を要する。

最近は身近に起きる災害もそうだが、大規模な災害を目にすることで、とても危機感を強くしている。経済的余裕がない状況の中であっても、災害に備えて発電機やエンジンチェーンソーなどが欲しいと思う。燃料ありきでそれらが活躍するのだろうが、もし自分の工房が倒壊すれば、棟続きの隣の業種もその隣の業種も被災する。木工屋はモノを形作る仕事であるが、災害がもし仮に起きた時、倒れた家屋の下敷きになって苦しむ人を救う手立ても道具も何もできない状態で、ただ誰かの救援を待つしかない状況というのは、耐えがたいものがある。

豪雨災害や、今年の夏の酷暑も、考えようによっては災害である。熱中症患者は昨年よりも大幅に増え、暑すぎて経済活動にも影響が出るような状況を、ただのニュースのネタとして取り上げられることに危機感すら感じる。あと10年もすれば、7月8月は生命に危険な暑さとなるかもしれない。

現代の人間の生活様式が、今なお地球環境に負荷を掛け続けていること、わが国が直接それに加担していないとしても、木工屋として身近に感じるのは海外木材に高依存している現状や、何の疑いも無く日々使用使用したり目にしているプラスチックごみやレジ袋、安価に販売供給されているコピー用紙など、「その原料はどこでどうやって製造されていますか?」「使用後どのように廃棄されていますか?」「どれだけ環境負荷がかかっていますか?」ということを考えることも無く、ごく当たり前に店頭で販売され、ネットで販売され、使用されている。熱帯雨林を切り開いてパルプ生産に適した樹種のみのプランテーションとなった、多様性を失った人工林から作られるパルプ、以前として熱帯雨林を伐採してパルプ原料として用いられる現状もあることを、WWFの記事で知った。

環境問題と気象災害は背中合わせの関係であると思う。地震災害においても、エネルギーに依存した生活以外に、バックアップ手段を持たない現代人の生活様式に危機感を感じる。「電力供給の復旧を待つしかない」という受け身を強いられる状況に、何かバックアップの手段はないものかと考えたりする。地域ごとに小規模発電の手段を持つことはやはり必要ではないかとも考える。

経済性優位の考え方が、地球環境に明らかに良くない影響を及ぼしていて、そのツケが跳ね返りつつあることをもっと感じなければならないし、何か一つでも自分にできることをやっていかなくてはいけないとも思う。

ではまた。

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