材料の話など

こんばんは、堂谷木工です。

今は依頼を受けている家具などを製作中です。実用本位の現場で使われる什器的な家具にはラジアータパイン集成材を用いて、応接用家具には日本のアカマツを用います。先日アカマツを買いに、大阪の北部の製材所まで行って仕入れてきました。帰宅後計算すると、立米15万ぐらいでした。

木工を始める以前から、マツの木目が結構好きでした。ホームセンターで販売している角材などの松はベイマツ(正式名称ではないと思いますが)赤い色が強烈な感じですが、日本のアカマツは樹皮こそ赤いものの、材木自体はほんのりとオレンジがかった明るいさわやかな色で、木目も大人しいです。

今回、マツを本格的に使ってみるのですが、心配な事も多くあります。東大阪の当工房は、湿度が低めで、特に2階はカラッカラです。汚い話で恐縮ですが、当工房のトイレは2階にありまして、便器内の水量が蒸発してすぐに水位低下します。(漏れてはいません。)購入先の製材所は山のふもとで、丁度小川が流れる谷合にあり、材料は乾燥していると言ってもかなり水分多めだと思います。松を先日購入して少しでもシーズニングしておこうと思って2階に上げておいたら、購入時よりネジレ、干割れが増幅していました。困った感じです。松はネジレが強い木です。カラマツほどではないですが、アカマツも割れが出やすいようです。板モノ家具でマツの幅広で薄めの板は、ネジレを念頭に置いて制作しなければならないようです。それに、ヤニがどれだけ出てくるのか。施主さんのところでヤニ噴出地獄となるようだと、これは問題ですが、木材の脱脂はすべきはないと思います。開き直りではないですが、ヤニが出るのが普通と言いますか、健全と言いますか…。ゴニョゴニョとヤニ止めシーラー等を用いて塗装しなくても、使い続ければヤニがいい具合に家具のツヤを出して飴色になると思うのです。

当工房の方針として、なるべく国産木材(この国に生えている木)を使ってつくる事をモットーとしています。国内で安定して広葉樹を入手することが難しい(地方の小さな材木屋さんや製材所には、まだ蓄材があると思いますが、安定して確保できるかどうかはわかりません。)一軒一軒訪ねて回ることも大変です。(しかし、それをやっていこう、とも思っています。)国内大手の無垢材を用いた家具メーカーでは、材料集めは結構シビアになってきているはずです。海外からの輸入木材の価格も上がってきているはずですし、海外の輸出規制もあります。されど良材は年々世界レベルで減少しているはずですから、価格は上がっても質の落ちた材料を使わなければならい時代になりつつあります。

当工房が年に使用する木材なんて、2立米にも及びませんが、材料の確保は最近の課題です。杉や桧を活用していく方法は、なんとなくまとまってきましたが、やはりテーブルトップなどの硬質材料を欲しい場合、ちょっと力不足です。マツだとネジレやワレやヤニの問題はありますが、曲げには強いですし、脚モノにも使えます。そんな経緯で、マツを積極的に使っていこうかと思っています。年内に資金があればいいのですが、一度長野県や山梨県などの、カラマツの産地に出向いて、マツを取り扱う製材所に行こうかと思っています。そこで現場の声を聴く、これが一番です。長野県では戦後、カラマツの植林が盛んに行われたようで、今ごろ結構大径木の材料が出ているようです。上手く使うのは難しい材料のようですが、カラマツはアカマツ以上に木目がはっきりとして荒々しい雰囲気のようで、ぜひ使ってみたいです。

木材にもブームがあります。近年はブラックウォルナットでしょうか。もともと蓄材量の少ない樹種ですから、あと10年もすればブームがどうなるかわかりませんが、枯渇気味になるでしょう。確かにブラックウォルナットで作られた家具はカッコイイとは思いますが、僕はたぶん今後、使わないと思います。価格が高いとかよりも、使いたくない。日本人にとっての主食がお米であるように、日本人にとっての馴染みある木を使ってやっぱり作りたいです。国内消費の木材の70%ほどを輸入に頼っている日本、森林の多い国でありながら、矛盾した話です。流行りすたりで使われる木と、それで作られた家具がかわいそうとすら思います。まぁでも、個人の考え方は様々ですから。

その流行り廃りの『廃り』気味の木と言えば、欅でしょうか。欅の家具と聞くと、頭の中でどうしても座卓とか和家具がイメージとして出てきます。かわいそうに、流行りでもてはやされた反面か、今は敬遠されているなんて。先日訪れた針葉樹中心のその製材所にも、欅はたくさんありました。当工房は欅もバンバン使っていこうかと思っています。というのも、小さな製材所や材木店で在庫が結構あると思います。和チックになるかどうかは、木目の使い方次第ではないかと思います。欅の木目に合う形があるはずなんです。当方、欅も結構好きです。制作中は欅の研磨粉などを吸い込むとクシャミがひどいですが、あの香りは結構好きです。

お金ができれば、まず材料を買う。何においても材料が無いと話になりませんからね。超一流の材料は当木工所では使えないですが、扱いにくい素材などをどんどん活用できればと思います。来年は販売活動を増やしながら、各地の製材所巡りをしたいなぁと思います。

ではまた。

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