堂谷木工製作所では、『Raw Woodworks PANGEA』というブランド名で、主に生木や青竹を使ったワークショップを開催しています。
日本林業発祥の地である奈良県川上村は、全国屈指の杉・ヒノキの優良材木産出地です。
通常、家具や木製品の製作においては、伐倒後製材してから自然乾燥させ、さらに人工乾燥機で含水率十数パーセントまで(広葉樹は数パーセントまで)乾燥させ、製品にした後に木材が割れたり反ったりしないようにします。生木(Raw Wood)を使うということは、生木で作った家具が使用する時間経過において乾燥していくということであり、乾燥過程でどのような形状変化が起きるかをよく理解したうえで作らなければいけません。それは、乾燥過程で起こり得る割れやネジレといったリスクをはらんでいるということですが、ではなぜそこまでして生木を使う必要があるのか。
それは、圧倒的な削りやすさ、曲げやすさがあるからです。そして何より、極端に言えば木を伐倒してすぐその場で椅子、カトラリーなどが作れるということ。まだ今は叶っていませんが、山で実際に伐倒を体験していただき、その場で作り始めることができるという『生きた木が家具になる』という過程をその場で体感いただけるということが、何よりお伝えしたい価値です。
現在の木製家具は、あまりにも人工的であり、その素材が自然に生えていた『樹』であることを全く感じられません。『樹』が『木』になって家具になるという過程は、普通は見えない過程です。ただひたすらに手を動かし、生み出すそのモノとは、自然に存在していた命であるんだと、それを自分の手で形にするということが、まさに人類のモノを作って生活を営む根源であること、とても自分たちの起源に近い、本質的で衝動的でもある『モノを生み出す力』、現代人が忘れている原始的な衝動を味わっていただきたい、そのように感じて、この材木の産地である川上村において、生木を使ったワークショップを開催したいと考えるようになったのがきっかけです。
ただ単にものづくりの楽しさを体感していただくという側面もあります。生木ではなく、短時間で木製品を形にするような置時計や写真立てのワークショップ、また、『木』ではありませんが竹を使ったミニ扇風機づくりのワークショップなども開催しています。
初心者や親子向けのワークショップから、本格的な宿泊型ワークショップも近日開催いたします。
活動内容やワークショップのご案内などはRaw Woodworks PANGEA Instagramにて発信しておりますので、是非フォローしてください。